こんばんは、ひろです。今回は、姪っ子の読書感想文の課題の本を読んでみました。
芥川龍之介の「白」という作品です。
ここでは、姪っ子向けではなく、私自身に向けた感想を書いてみたいと思います。
「白」を読んだ上で考えた自分なりのポイント
この本の主人公は犬の「白」です。白には友達の「黒」という犬がいました。
ある日、白は、黒が犬殺しの罠にかかって殺されてしまいそうなところを目撃してしまいます。
白は自分の身を守るため黒を救わずに犬ごろしから逃げてしまいます。
黒は犬殺しに殺されてしまいました。
白は「助けて!」という黒の悲鳴を聞きながら一目散に家に逃げかえったのでした。
家に帰った白は、飼い主から追い出されてしまいます。なんで?と不思議に思っていると、自分の体が黒く変わっていることに気づきます。
絶望した白ですが、黒を見捨てたことを忘れられず、今度は困っている人たちを助けて回りました。
たくさんの人助けをしたあとにボロボロになった白でしたが、最後にと、もともと飼われて居た家に戻りました。
すると飼い主は「白」が戻ってきた!と喜びました。なんと、黒くなってしまった姿から白く戻っているではありませんか。
白は黒を見捨て黒い姿へと変わってしまいましたが、善行を重ねてまた白い姿に戻り、飼い主のいる家へと戻ったのでした。
「白」を読んだ上で考えた私なりのまとめ:生き物のサガ
感想なんですが、私自身の感想を書きますね。なんというか、自分自身の保身というのは人間のサガでもあり、生き物のサガでもありますよね。
そこについての勧善懲悪ではないですけど、友を見捨てることは悪か?という倫理を問うているのかと思います。
ある意味生き物の宿命の自己保身ですけど、やっぱり人間には倫理・道徳観念がありますから、それをあえて犬の白にたとえた本なのでしょうね。
おのれの保身のためだけに生きるのではなく、人助けという「贖罪」をして白は最後に救われたのかなと思いました。
この本は、自己保身のみでは人間は救われず、人間としての倫理道徳があることによって人は救われるべきということを書きたかったのではないでしょうか。