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MUSIC THAT MAKES YOU HAPPY

気付けばこのJOURNALも今年最後ということで、今回は今年の締めくくり的な内容でお届けします。

2015年の前半は比較的古い音楽を中心に、後半はその反動で、新しい音をそれまでより多く買っていた気がします。僕にとってはどちらもとても刺激的な音楽であることには変わらないのですが、やはりリアルタイムで自分が好きだと思える音楽にはまれることほど楽しいことはないなと、12月に入って素晴らしいと感動できる新譜が沢山でてきて改めて実感しました。

COURTNEY BARNETT - SOMETIMES I SIT & THINK, & SOMETIMES I JUST SIT [2015]

このところ色々と面白い音楽をやる人が増えてきているオーストラリアから、オーバーグラウンド/アンダーグラウンドの垣根を軽く跳び越えてしまった女の子のデビューアルバム。ラップとはまた違う、しゃべるように唄う感じのポップでロックな良い塩梅の曲満載。ストリート感のあるファッションも良し。

KING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD - PAPER MACHÉ DREAM BALLOON [2015]

そのオーストラリアはメルボルンの7人組バンドによる7枚目(!)のアルバム。哀愁漂うサイケデリック/ガレージポップミュージック。このアルバムはアコースティックな楽器編成で、牧歌的なメロディが際立ったリスニング向きの仕上がりです。特にお薦めは「DIRT」、「MOST OF WHAT I LIKE」あたり。過去五年間ですでに7枚のアルバムをリリースしてるというのも凄い。

MAC DEMARCO - SALADA DAYS [2014]

MAC DEMARCO - ANOTHER ONE [2015]

カナダの若きシンガーソングライターによる3枚目、4枚目のアルバム。彼も多作、というか、デモ音源も続々とリリースしてくるので、一体どのくらいの数がリリースされているのか把握できません。ただ、どれを聴いても彼の作品だとわかるくらい個性がしっかりでている作品ばかり。酔いどれているようなギターが漂うレイドバックなサウンドが癖になります。

BEIRUT - NO NO NO [2015]

ノスタルジックなワールドミュージックの要素をふんだんに取り入れながらも、ポップなサウンドで大復活を遂げた4枚目のアルバム。これまでの作品も素晴らしかったけれど、曲によっては少しワールド色が強すぎる感もあったのだけど、このアルバムは全体を通して素晴らしいバランス。良くも悪くもポップミュージックとして抜群に完成度が高いので、是非聴いてもらいたいアルバムです。

WILD NOTHING - TO KNOW YOU/TV QUEEN [2015]

ブルックリンのJACK TATUMによるユニットの来年発売予定のアルバムからの先行シングル。これまでよりもかなりスケール感が大きくなったのに格好良さは変わらず素晴らしくて、嫌でもアルバムへの期待が高まります。このシングル、A面も良いのですが、個人的にはB面「TV QUEEN」が凄く好きで、繰り返し聴いてしまいます。

COMMUNIONS - COBBLESTONES [2014], SO LONG SUN [2014], COMMUNIONS EP [2015]

ここ数年盛り上がり続けているコペンハーゲンの音楽シーンからでてきた高校生バンド。みずみずしく、煌めく青春のギターサウンドがとてもまぶしい。OASISなどのUKバンドの影響が色濃いデビュー作「COBBLESTONES」、そこからSTONE ROSESなどのマンチェっぽいサウンドを取り込んだようなセカンドシングル、さらにそれを推し進めサウンドが豊かになった3作目「COMMUNIONS EP」まで、まだまだ青臭さと切なさが残るこのサウンドに心奪われてます。本人たちは気にしていないというファッションも、飾らず、でもいい感じに格好いいです。

LISS - TRY/ALWAYS [2015]

これもまたコペンハーゲンから。聴いた瞬間にレコード屋に走ったほどの衝撃。「TRY」はシンセの切ないイントロ、どこか懐かしいメロディ、ブルーアイドソウル的なサウンド、全てが完璧で且つポップに成立してます。「ALWAYS」は、よりしっとりと切なく、こちらも素晴らしい出来。80年代中頃~90年代中頃に活動していた同郷のGANGWAYにR&Bテイストを加えて現代版にアップデートしたかのような素晴らしさ。

GIRLS NAMES - ARMS AROUND A VISION [2015]

北アイルランドのベルファスト出身のバンドで、これは3枚目のアルバム。耽美でダークな尖ったギターサウンドだけれど、時折見せるポップな光がとても美しく、引き込まれてしまう。「AN ARTIFICIAL SPRING」とか「A HUNGER ARTIST」などはJOY DIVISIONなんかが好きなら是非聴いて欲しい曲です。

NIC HESSLER - SOFT CONNECTIONS [2015]

14歳でCATWALKという別名ユニットで活動をはじめ、23歳でNIC HESSLER名義でリリースしたデビューアルバム。キラキラした瑞々しいギターサウンドは、ALEX CHILTONやXTCなんかの影響が垣間見えて微笑ましい。心地よく晴れた日に聴きたくなる爽快サウンド。

YO LA TENGO - STUFF LIKE THAT THERE [2015]

80年代中頃から活動を続けているアメリカのバンド。アコースティックな編成で、カバー曲を中心にしたアルバムですが、これがとても心地よいサウンドで、しっくりきます。THE CUREの「FRIDAY I’M IN LOVE」も原曲が良いということもありますが、完全にYO LA TENGO節になっているし、アルバム通して心地よさが半端ないです。このリリースツアー日本公演も素晴らしかったです。

EZTV - CALLING OUT [2015]

これも駆け込みでランキングイン。これまたキラキラとしたギターと青臭いけれど少しひねくれたメロディが特徴的な曲が印象的な3ピースバンド。60年代のTHE BYRDSというバンドを引き合いに出して紹介されたりしているけれど、もっと70年代的というか、パワーポップよりのサウンド。いい感じの力の抜け具合が良くて、かといってへろへろではない軽いグルーヴがあるところが最高なのです。

CHARLIE HILTON - PONY / WHEN I'M GONE [2015]

今回あまり取り上げていないフィメールポップですが、これはとにかく最高。しっかりとしたビートに、サイケデリックでドリーミーなサウンドに、浮遊感のあるボーカルが乗って文句のつけようがない仕上がり。そしてB面はアコースティックギターの弾き語り。アシッドフォークまでいかないギリギリの感じがまた素晴らしい。

BOULEVARDS - BOULEVARDS [2015]

12月に入っていきなりハートをつかまれたこの謎なファンキーチューン。Got To Goのビデオをみてもらえるとより好きになるかもしれないです。絶妙な胡散臭さ漂う本人とおぼしき男が踊る姿に目は釘付け。久々に一発でやられたダンスチューン。一気に2015年ベスト10入り確実に。

ベスト10みたいな感じでやろうと思ったのですが、絞りきれなかったです。世界には音楽カルチャーが盛んな都市が結構あります。ロンドン、ニューヨーク、ベルリンは言わずもがな、個人的にはもう少しこじんまりとした都市からの音楽も好みのものが多く、中でも、グラスゴー(スコットランド)、コペンハーゲン(デンマーク)、メルボルン(オーストラリア)、マルメやゴッセンバーグ(スウェーデン)などは、面白い音楽が生まれる街という印象です。年末年始は、音楽を聴きながら世界を旅するという妄想をするのも面白いかもしれませんね。そして、できればそれを実行に移して旅してください。やっぱり体験するのが一番です。

では、今年は連載開始したばかりですが、好きに書かせて頂くことを快諾してくれた、Shetaの皆様、読んでくれている皆様、ありがとうございました。来年も宜しくお願い致します。
良いお年を!

文・写真/平野暢達

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